桜島結界の死闘は、呪霊へと転生した禪院直哉が自らの術式を進化させ、領域展開「時胞月宮殿(じほうげっきゅうでん)」を展開したことで極限状態に達しました。投射呪法の特性を極限まで研ぎ澄ましたこの領域は、掌中に収めた対象の細胞一つひとつの動きを24分の1秒で縛り、違反した者に強烈な細胞崩壊ダメージを与える必殺の結界術です。
領域内へと引きずり込まれた加茂憲紀、大道鋼、三代六十四の3名は、術式の強制力によって瞬時に肉体を蝕まれ、身動きを封じられました。直哉が自らの完全勝利を確信したまさにその瞬間、結界の外から何の前触れもなく現れたのが、完全に覚醒を遂げた禪院真希でした。
背後から静かに忍び寄った真希の手には、かつて甚爾が愛用した特級呪具の複製である「釈魂刀(しゃくこんとう)のレプリカ」が握られていました。直哉の認識を完全に置き去りにした一閃は、呪霊の肉体のみならず魂の輪郭を直接両断。圧倒的なカタルシスとともに、桜島結界の激闘は呪霊直哉の死亡という劇的な幕切れを迎えました。