そもそも、なぜ交差点の信号機は夜間になると点滅制御へと切り替えられてきたのでしょうか。その夜間点滅信号の理由は、昭和から平成期にかけての「交通の円滑化」と「省エネルギー・待機時間削減」にありました。深夜に交通量が激減する道路において、主道路側の無駄な赤信号待ちをなくし、物流トラックなどの円滑な運行を促す目的で導入された歴史的経緯があります。
しかし、近年の交通統計データはこの運用の危険性を浮き彫りにしています。警察庁の事故分析によると、点滅信号が運用されている交差点では、通常制御の交差点と比較して夜間の重大死亡事故発生率が約3〜4倍に跳ね上がることが判明しました。事故原因の8割以上が「赤点滅側車両の一時不停止」によるものです。
このデータを受け、警察庁および各都道府県警察は2026年から2026年にかけて点滅信号の原則廃止を推進しています。現場の対策としては以下の3つのアプローチが急速に進んでいます。
第1に「24時間通常サイクル化(感応式信号への刷新)」です。深夜でも通常通り青・黄・赤の制御を行い、従道路側は車両感知器によって車が来た時だけ青にするシステムへの移行が進んでいます。第2に「一時停止標識(標識交差点)への変更」であり、信号機そのものを撤去して道路標識による優先関係の明確化を図るケースです。そして第3に、欧米で導入実績の多い「ラウンドアバウト(環状交差点)」への改修です。点滅信号という曖昧さを排し、物理的・構造的に事故を防ぐインフラ転換が全国で加速しています。