インターネット上の健康情報の中には、古くからの俗説がそのまま放置されている例が散見されます。代表的な誤解が「指のしわは角質が水を限界まで吸ったから生じる」という説と、「指がしわしわになったら水を大量に飲めばすぐに治る」という短絡的な対処法です。
前述の通り、水によるしわは自律神経が正常に機能している証拠であり、単なるスポンジのような吸水現象ではありません。逆に、長風呂をしても指が一切しわしわにならない場合、末梢神経の障害や手根管症候群などの神経圧迫が存在している可能性を示唆する臨床的サイン(ウォーター・リンクル・テストの陰性)となり得ます。
また、乾燥による指のしわに対して、ただ漫然と水分をがぶ飲みしても、皮膚のバリア機能が壊れていれば水分は体表から蒸発し続けます。外側からの適切な油分補給と、内側からの電解質を含んだバランスの良い水分摂取を両立させなければ、根本的な改善には至りません。