私たちが今日「R&B」と聞いてパッと思い浮かべるサウンドの骨組みは、1990年代から2000年代初頭にかけて完成した。テディ・ライリーが提唱した「ニュー・ジャック・スウィング」の弾けるビート、TLCやメアリー・J. ブライジが見せたヒップホップ・ソウルの力強さ、そしてブライアン・マックナイトやアッシャーが極めた官能的なバラードスタイルだ。
プロデューサーのトニー・リッチやジャム&ルイス、そしてティンバランドらが持ち込んだ変則的な打楽器アプローチは、歌唱重視だったR&Bを「トラックの質感で魅せる音楽」へと変貌させた。この時期の精緻なサウンドプロダクションこそが、今のグローバル・ポップスの設計図になっている。