大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』をはじめとする大物作品を擁するHBO Maxや、世界中に多様なコンテンツを提供するNetflixの普及により、私たちは日常的に過激な歴史劇を目にするようになった。劇中での身体刑は、しばしば泥臭く、激情に任せた野蛮な暴力として描写される。
しかし、エンターテインメント産業が生み出す刺激的な映像と、現実の法執行との間には明確な隔たりが存在する。フィクションとしての歴史劇は劇的なカタルシスや痛みの演出を最優先するが、実際の刑事手続きは感情を排した冷徹な機械作業として進行する。昨今のドキュメンタリー番組などが暴きつつあるのは、まさにそうした映像作品のファンタジーと冷酷な現実との落差である。