スクリーンの上で彼が魅せる姿は、常に観る者の予想を裏切る。ある作品では極限まで肉体を絞り込み、別の現場では別人のように逞しい体躯を作り上げる。その変貌ぶりに驚かされるファンも多いが、現場関係者が驚嘆するのは、肉体変化が単なるパフォーマンスに終わらない点だ。
「彼は単に太ったり痩せたりしているのではない。その役が日常でどんなものを食べ、どんな歩き方をし、どんな呼吸をするのかを骨格レベルから想像して体現している」。ある映画監督はそう明かす。皮膚の質感から声のトーン、眼光の鋭さまで完璧に役柄とシンクロさせる。その執念は狂気すら感じさせるが、それこそが彼を日本トップクラスの怪優たらしめている根源だ。