作品の顔であるフグ田サザエと、温厚な夫のマスオ。二人の出会いは、お見合いという実に昭和らしいシチュエーションだった。お見合い会場となった食堂で周りの客に紛れて顔を合わせたというエピソードは、今なおファンの間で語り継がれる名場面だ。
結婚後、一度は借家で暮らし始めた二人だったが、地主とのトラブルをきっかけに磯野家へ同居することになる。この「娘夫婦が実家に身を寄せる」という選択が、作品に類を見ない活気をもたらした。二世帯が入り交じり、世代間のギャップや日常の擦れ違いを笑いに昇華させる構造こそが、日本型ホームコメディの金字塔となった最大の要因である。