九州裏社会の歴史において、最も激しい衝撃を与えたのが道仁会と浪川会(旧・九州誠道会)による一連の分裂抗争です。2006年の四代目会長就任を巡る内部対立を発端とするこの抗争は、福岡、佐賀、長崎のみならず、熊本県内にも深刻な火種を撒き散らしました。
双方が自動小銃や手榴弾などの重火器を使用した襲撃事件を頻発させ、関係者の殺傷事件が相次ぎました。熊本県内においても、関係組織の拠点に対する発砲事件や車両への威嚇行為が発生し、地域住民は日常的な恐怖に晒される事態となりました。一般市民が巻き添えになる事件が九州他県で発生したことを受け、警察庁は2012年に両組織を全国初の「特定抗争指定暴力団」に指定しました。
この指定により、警戒区域内での組員の立ち寄りや5人以上での集会が厳格に禁止され、熊本県内でも関係拠点が完全に封じ込められました。2013年の双方による終結宣言、そして2014年の特定指定解除を経て抗争自体は沈静化しましたが、この間に受けた警察の集中的な捜査と幹部の逮捕劇によって、熊本における両組織の組織力は壊滅的な打撃を受けました。