世間で「冷蔵庫事件」として語り継がれる事案には、大きく分けて2つの異なる重大トラブルが存在します。ひとつは、2010年代前半から社会問題化した飲食チェーンやコンビニエンスストアのアイスケース・業務用冷蔵庫に従業員が入り込み、その様子をSNSへ投稿した「バイトテロ」と呼ばれる一連の不祥事です。もうひとつは、家庭用や事業用の冷蔵庫に遺体を隠蔽した重大刑事事件としての「冷蔵庫遺棄事件」です。
特に飲食業界を震撼させたバイトテロ型の発端は、大手コンビニエンスストアの店舗でアルバイト店員がアイスクリームの冷却ケース内に寝そべり、悪ふざけの写真を投稿したことでした。瞬く間にネット上で拡散・炎上し、当該店舗はフランチャイズ契約の即時解除および営業停止へ追い込まれました。さらに、老舗の蕎麦店やステーキハウスでも同様に業務用冷蔵庫や什器に侵入する動画が相次いで流出し、被害店舗が倒産・破産に追い込まれるなど、前代未聞の被害をもたらしました。
一方で、刑事事件として報じられた冷蔵庫遺棄事件は、親族の死亡を隠蔽して年金を不正受給し続ける目的や、DV・殺人後の証拠隠滅のために遺体を大型冷蔵庫内に隠し続けた凶行です。異臭や関係者の通報、警察の家宅捜索によって発覚した際、そのあまりに異様な遺棄の手口が全国ニュースで大きく報じられ、社会に強烈なトラウマを残しました。