今回の品不足は、単なる需要の急増だけが原因ではない。最大の要因は、マスクの心臓部とも言える「メルトブローン不織布」の主要生産国における深刻な電力不足と、それに伴う工場の操業停止だ。国内生産の割合を増やしていたとはいえ、原材料の多くを海外に依存する構造は変わっていなかった。
さらに、国際物流の運賃高騰が追い打ちをかける。コンテナ船の確保が遅れ、港湾での滞留が常態化した結果、日本国内への到着が当初の計画から数週間単位で遅れているのだ。この二重のボトルネックが、店頭の棚を空っぽにする直接の引き金となった。