本作の最大の魅力は、当時シリアスな二枚目俳優として不動の地位を築いていた田村正和が、スマートさと情けなさを絶妙に行き来するコメディ演技を開花させた点にあります。脚本を手掛けた伴一彦とプロデューサーの八木康夫のタッグは、前作『うちの子にかぎって…』で培ったテンポ感をさらに洗練させ、都会的でスタイリッシュなシチュエーションコメディを完成させました。
物語の軸となる登場人物の関係性は明快でありながら、回を追うごとに疑似家族としての絆が深まる精緻な構造を持っています。
- 鏡竜太郎(演:田村正和):TBS『JNNニュースチャンネル』のメインキャスター。独身主義で女好き、極度の潔癖症で見栄っ張りだが、どこか憎めない伊達男。
- 米崎みゆき(演:浅野温子):ニュース番組の現場を仕切る勝気なフロアディレクター。竜太郎の奔放な私生活に呆れつつも、時に鋭いツッコミで支える名相棒。
- 松津弘(演:所ジョージ):竜太郎の悪友であり、気楽なニュースデスク。竜太郎の秘密を面白がりながらトラブルをかき回す役どころ。
- 3人の娘たち(アリス役):鈴木美恵(西尾麻央役)、西尾麻央(西尾愛役)、大石愛(大石愛役)。12年前に竜太郎が口説いた女性たちが産んだ娘たち。
本作を彩る音楽演出も画期的でした。本田美奈子.が歌う主題歌「Oneway Generation」はオリコンチャート1位を獲得する大ヒットを記録。さらに劇中の挿入歌やBGMには、山下達郎をはじめとするシティポップや当時の最新洋楽ヒットナンバーがふんだんに散りばめられ、80年代後半の東京の空気をリアルにパッケージしていました。