華やかなステージに立つタレントたちも、始まりは緊張で震えていた一人の少年だった。オーディション当日のエピソードには、思わずクスッと笑えて、どこかほろりとさせられる秘話が満載だ。
自分の意思ではなく「母親が勝手に履歴書を送った」「サッカーの練習に行きたかったのに騙されて連れてこられた」というエピソードは、今やジャニーズ出身者の代名詞とも言える。特技披露の場面でダンスがうまく踊れず、体育館の隅でうなだれていた少年が、会場にいた社長の目に留まり「YOU、ダンスうまいね」の一言で合格したという話も語り継がれてきた。
自己アピールでまったく歌えなかった少年が、物怖じしない度胸を買われて残った例もある。完璧なパフォーマンスよりも、その子が持つ「原石としての輝き」や「人の心を惹きつける目力」が見抜かれていた。直感と偶然が交錯したあの一瞬がなければ、現在の日本のポップカルチャーの景色は全く違ったものになっていただろう。