電子書籍プラットフォームであるAmazon Kindleやコミックシーモアのレビュー欄を覗くと、読者の反応が真っ二つに割れていることに気づく。一方には「妻の気持ちが痛いほどわかる」「夫の無神経さに吐き気がした」という妻側への強い共感の声。もう一方には「話し合おうともせず6年も無視するのは卑怯だ」「夫がかわいそうだ」という夫側への同情や妻への批判の声だ。
この議論の分断こそが本作の真骨頂と言える。どちらか一方を完全な善、もう一方を悪として描いていないからこそ、読者自身の夫婦観や価値観が透けて見える鏡として機能しているのだ。レビュー欄そのものが、現代日本における家族のあり方を巡るリアルな討論場と化している。