近年導入された最新鋭車両に足を踏み入れると、水回り設備の進化はさらに際立つ。東海道・山陽新幹線のフラッグシップである新幹線N700S系電車では、従来の空間設計をゼロから見直した。特筆すべきは、車いすのままスムーズに旋回できる広大な多機能トイレの完成度だ。オストメイト対応設備や大型ベビーベッド、着替え用ステップが整然とレイアウトされ、ボタン類も人間工学に基づいた直感的な配置に刷新されている。
一方、山形新幹線向けに登場した新幹線E8系電車も負けてはいない。在来線区間を直通するミニ新幹線ゆえに車体断面が狭いという物理的制約を抱えながらも、驚くほどゆとりある空間を確保した。両形式に共通して搭載されている最新の温水洗浄便座は、徹底した節水設計と高い洗浄力を両立させた特注品だ。微細なミストで汚れの付着を防ぐ先進技術が、長距離運行でも常に清潔な環境を保ち続けている。