良かれと思って行っている保管場所の選定が、実は薬の寿命を急速に縮めている場合がある。代表的なNGスポットが、湿度の高い洗面所や台所、直射日光が差し込む窓際、そして夏場に高温となる自動車のダッシュボードだ。
医薬品の基本保管条件である「室温保存」とは、通常1〜30℃の範囲かつ直射日光の当たらない乾燥した場所を指す。缶入りの救急箱に乾燥剤と共に入れ、風通しの良いリビングの棚などに配置するのが理想的だ。
また、特殊な配慮を要するのが冷所保存医薬品である。インスリン製剤、一部の未開封点眼薬、生物学的製剤、坐薬などは、厳密に2〜8℃の温度管理が義務付けられている。ここで注意すべきは冷蔵庫内の配置だ。冷気の吹き出し口付近やチルド室は0℃以下になり、薬が凍結して有効成分のタンパク質が破壊される危険がある。必ず冷蔵室のドアポケットなど、凍結の恐れがない安定した場所へ収める必要がある。