映画界において、足という部位をスクリーンの主役にまで押し上げた最大の功労者といえば、間違いなくクエンティン・タランティーノ監督だろう。彼の作品を1本でも観たことがある者なら、異様なほど執拗に差し込まれる足のクローズアップショットに気づかないはずがない。
名作『パルプ・フィクション』でのユマ・サーマンの素足のダンスシーンや、タクシー車内での会話劇は、映画史に残る名場面として語り継がれている。タランティーノにとって、足は単なる身体の一部ではない。登場人物の緊張感、解放感、あるいは権力関係の変化を無言のうちに雄弁に語るフェティッシュなアイコンなのだ。
また、アカデミー賞を席巻した『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でも、マーゴット・ロビーやマーガレット・クアリーの足元をとらえたカメラワークが強烈な印象を残した。映画ファンや批評家の間では「タランティーノ美学の真骨頂」として称賛される一方で、彼独自の演出アプローチとして常に熱い議論の的となっている。