日本のモノづくりが誇る最高峰の生産拠点、それが岩手県にある奥州水沢工場だ。名作として世界中から称賛される水沢ダウンは、機械によるオートメーションだけで生み出されるものではない。ダウンウェア最大の弱点である「ステッチの針穴からの浸水と羽毛抜け」を防ぐため、熟練の職人たちが特殊な熱圧着ノンキルト加工とシームテープ処理をミリ単位の手作業で施している。
大量生産とスピード消費が常態化した現代のアパレル産業において、一着にこれほどの工数と情熱を注ぎ込むアプローチは極めて異例だ。水に濡れると保温力を失うというダウン本来の弱点を、工学的なアプローチと手仕事の融合で見事に克服した。その結果、傘を差すことすら忘れさせる圧倒的な耐水性と堅牢性が宿っている。