工業的価値が極めて高いタングステンですが、資源としての脆弱性を抱えています。世界のタングステン鉱石生産において、中国が世界シェアの約8割を占める圧倒的な産出国となっており、経済安全保障上の重要レアメタルに指定されています。
主要な産出国と近年の動向は以下の通りです。
- 中国(シェア約80%強):世界最大の埋蔵量と生産能力を誇り、輸出規制や環境基準の強化が世界価格に直結する。
- ベトナム・ロシア・ボリビアなど:非中国系サプライチェーンとして注目されるが、生産規模には限界がある。
- 韓国・オーストラリア等での鉱山再開発:供給寡占リスクを回避するため、休止鉱山の再稼働プロジェクトが進展中。
日本の製造業においても、使用済み超硬工具からのタングステン回収(リサイクル率は国内で40%以上)など、都市鉱山からの資源循環が極めて重要な経営課題となっています。