トラスパレンテの歴史は、オーナーシェフである森直史シェフが2008年、わずか3.5坪の小さな店舗からスタートさせたことに始まります。本場イタリアのフィレンツェやボローニャなどで技術を磨いた森シェフが掲げたのは、「焼きたてのパンを、一番美味しい最高の状態で提供する」という極めてシンプルな、しかし徹底された現場哲学でした。
一般的な大型ベーカリーでは、早朝に一括してパンを焼き上げるケースが珍しくありません。しかし同店では、少量ずつ一日に何度も焼き上げるスタイルを一貫して守り続けています。厨房と客席の境目がシームレスなオープンキッチンスタイルを採用しているのも、作り手の熱気とパンが焼き上がる瞬間をダイレクトに届けるためのこだわりです。
現在では都内各所や地方にも展開を広げていますが、中目黒の本店は今なおブランドの魂が宿るフラッグシップとして、地元住民から遠方のパン愛好家までを引き寄せる求心力を誇っています。