公式の文字列を単調に暗記しようとすると、分母と分子が反転したり、どの頂点からスタートしたかが曖昧になりがちです。両定理をノーミスで運用するための鉄則が、「頂点→分点→頂点」のリズムを繰り返す一筆書きルールです。
チェバの定理公式は、三角形ABCの頂点と対辺上の分点をD, E, Fとした場合、以下のように表されます。
$$\frac{AF}{FB} \times \frac{BD}{DC} \times \frac{CE}{EA} = 1$$
頂点Aから出発し、「分点Fへ進み、頂点Bへ至る」「頂点Bから分点Dへ進み、頂点Cへ至る」「頂点Cから分点Eへ進み、頂点Aへ帰還する」というように、必ず【頂点】と【分点】が交互に出現します。この循環を意識すれば、式を立てる際に項を取り違えるリスクは事実上なくなります。
メネラウスの定理公式においても、この一筆書きの作法は完全に同一です。しかし、メネラウスには受験生が最も苦手とする「内分と外分の比」が絡んできます。三角形の外側に飛び出した外分点へ向かう際、視界が乱れてしまうのです。ここで決定打となるのが、受験界屈指の視覚化ノウハウである「メネラウスの定理キツネ型」のフレームワークです。
直線が三角形を貫くとき、図形全体を観察すると、尖った耳と突き出た鼻を持つ「キツネの横顔」のような交差四角形が浮かび上がります。このキツネ型を見抜いたら、以下の3ステップで機械的に処理します。
- ステップ1(主役の決定):キツネの「頭(三角形)」を特定し、残る直線(鼻先をかすめるライン)を「截線」と認識する。
- ステップ2(頂点と分点のマーキング):三角形の3頂点に◯をつけ、直線との交点3つ(分点)に✕をつける。
- ステップ3(一筆書きの発動):◯(頂点)→✕(分点)→◯(頂点)→✕(分点)→◯(頂点)→✕(分点)= 1 の順に、辺の長さを分数に落とし込む。
外分点へ向かう際は「三角形の外側へ一度寄り道して、元の頂点へ戻ってくる」軌道を描きますが、「頂点→分点→頂点」という規則性さえ守っていれば、どんなに複雑な外分であっても符号や比の順序が狂うことはありません。