問題の核心は、あまりにも有名な「バター」を使った性的暴行の描写にある。撮影の直前、ベルトルッチとブランドの二人が朝食中に思いついたアイデアだった。恐ろしいのは、この演出がシュナイダーに事前に知らされていなかったことだ。彼女はカメラが回る直前まで、これから自分がどのような行為を強要されるのかを知らなかった。本物の涙を撮りたい。監督のその歪んだ情熱が、一人の若い女優の尊厳を文字通り踏みにじった瞬間だった。
「本物のリアクション」を追求する手法は、当時の映画界では一種の美学とされていた。しかし、それは単なる権力勾配を利用した搾取に過ぎない。ブランドという絶対的なスターと、巨匠ベルトルッチ。逆らえるはずのない圧倒的な力関係の中で、彼女はただ泣き叫ぶしかなかったのだ。