定型業務の自動化、判例予測ツールの普及。法曹界にもAIの波が怒涛のごとく押し寄せている。契約書のチェックや定型的な書面の作成は、いまや数秒で完了する時代だ。だが、それによって弁護士の価値が落ちるどころか、むしろ「人間であること」の本質が容赦なく問われる事態となっている。
依頼人が真に打ち明けるべき恐怖や羞恥心は、アルゴリズムの入力フォームには決して収まらない。震える声の奥にある絶望を感知し、法廷で裁判長の心証を動かすのは、どこまで行っても血の通った言葉だ。テクノロジーを徹底的に道具として使い倒しながら、最後の決定打として人間性をぶつける。合理化の果てに置き去りにされかけた「弁護の魂」を、彼は愚直に体現している。