のし袋の外脇(上包み)を記入する際は、筆記具選びと文字の配置バランスに最大の注意を払わなければなりません。弔事の香典では「悲しみの涙で墨が薄まった」という意味を込めて薄墨を用いますが、地鎮祭は完全なる慶事です。必ず漆黒の「濃墨」の筆ペン、あるいは毛筆を用いて、太く力強い文字で揮毫(きごう)してください。サインペンやボールペンでの代用は略式と見なされ、礼を欠く印象を与えます。
表書きの配置構成は以下のルールを厳密に守ります。
- 上段(水引の上部):中央に「御初穂料」または「初穂料」と縦書きします。「御」の文字を一回り小さく書くと全体の重心が整います。水引に文字がかからないよう、余白を適切に確保してください。
- 下段(水引の下部):上段の文字よりもやや小さめの文字で、施主の氏名をフルネームで中央に縦書きします。
土地や建物の名義、建築資金の拠出状況によって、下段の記名方法はいくつかのパターンに分かれます。
- 単独名義の場合:世帯主の姓名(例:山田 太郎)を中央にバランスよく配置します。
- 夫婦連名の場合:ペアローンや共有名義などの場合、中央に夫のフルネームを書き、その左側に妻の下の名前のみを並べて記載します(例:中央に「山田 太郎」、左に「花子」)。
- 親子・親族連名の場合:二世帯住宅などで父と子が共同で施主を務める際は、右側に年長者(父)、左側に子をそれぞれフルネームで横並びに配置します。
- 法人・事業用建築の場合:中央に代表者氏名を記し、その右側に小さめの文字で「株式会社〇〇 代表取締役」と会社名・役職名を添えます。
水引を外して文字を書いた後は、水引の端が折れたり汚れたりしないよう慎重に元の位置へ戻しましょう。