現役引退後、解説者やタレントとしてマルチな活躍を見せていた鳥谷。メディアで見せる穏やかな笑顔の裏で、彼は着々と準備を進めていた。周囲からは「早くユニフォームを着てほしい」との声が絶えなかったが、彼は安易に既存のコーチ枠に収まる道を選ばなかった。
「外から野球を見る時間が必要だった」。関係者は鳥谷の言葉を代弁する。グラウンドの外から俯瞰して見えたのは、日本の野球界が抱える構造的な課題だった。過度な練習による故障、指導者の精神論への依存。これらを根本から変えるには、自らが新しいシステムを作るしかないと確信したのだろう。