救急搬送された患者の手記や医療関係者の報告から、病勢がいかに急速かつ苛烈であるかが浮き彫りになっています。救命救急センターへ耳鼻咽喉科領域の救急搬送となった患者の多くは、発症から数日の間に急激な悪化を経験しています。
都内の救急病院に搬送された30代男性の闘病記録には、次のような生々しい証言が残されています。
「最初は喉の左側がチクチク痛む程度でした。市販の風邪薬を飲んで出社していましたが、3日目の夜に状況が一変。唾液を飲み込もうとするだけでナイフで首を抉られるような激痛が走り、洗面器を抱えて一晩中唾液を吐き出していました。翌朝には顎が完全に固まり、指1本すら口に入らない。呼吸をするたびに喉の奥でヒューヒューと音が鳴り始め、意識が朦朧として救急車を呼びました。診断は扁桃周囲膿瘍の破綻寸前。即座に切開され、医師から『あと半日我慢していたら窒息していた』と告げられました」
SNSや相談窓口に寄せられる当事者の声を見ても、「ロキソニンなどの強力な鎮痛剤を最大量飲んでも痛みが1ミリも引かない」「水が飲めないため脱水と高熱で意識が朦朧とする」といった訴えが共通しています。患者自身は「ただの喉の痛み」という先入観があるため、救急車を呼ぶことを躊躇し、自力で歩けなくなるまで我慢を重ねてしまうケースが後を絶ちません。