美ヶ原自然保護センター駐車場が多くの登山者から選ばれる最大の理由は、美ヶ原の核心部とも言える王ヶ頭(標高2,034m)および王ヶ鼻(標高2,008m)への距離の短さにあります。
一般的な高原散策の起点として知られる東側の「山本小屋ふるさと館」から王ヶ頭を目指す場合、広大な美ヶ原牧場の中を抜ける平坦な砂利道を延々と歩くことになり、片道で約60分から75分程度の時間を要します。これに対して、西側の自然保護センター駐車場を起点とした場合、管理用道路(天狗の露地経由)を登ればわずか20分〜30分程度で王ヶ頭直下へ到達することが可能です。
また、美ヶ原屈指の絶景展望ポイントとして知られる「王ヶ鼻」へは、駐車場から左手の登山道に入り約20分の行程です。王ヶ鼻の先端には、かつての御嶽信仰を今に伝える石仏群が並び、足元には松本盆地、その向こうには槍ヶ岳や穂高連峰をはじめとする北アルプスの全容、中央アルプス、南アルプス、富士山までが遮るものなく広がる大パノラマが展開します。
この時間的優位性は、特に雲海や日の出、夕暮れの撮影を狙うフォトグラファーにとって決定的なアドバンテージとなります。未明に出発しても短時間で稜線に立てるため、夜間歩行のリスクを最小限に抑えながら劇的なマジックアワーの光景を捉えることができるのです。