ネット上の情報や一部のコミュニティでは、道路交通法の解釈に関する誤った言説が事実のように拡散されているケースが見受けられます。現場の安全を守るために、代表的な2つの誤解を正しておかなければなりません。
第一の誤解は、「自動車専用道路であれば、バイパス道路でも高速道路と全く同じ最高・最低速度ルールが適用される」という思い込みです。地域高規格道路やバイパスなどの自動車専用道路も法的には「本線車道」を持ちますが、高速自動車国道とは異なり、標識による指定がない場合の法定最高速度は一般道路と同じ時速60kmであり、法定最低速度の規定もありません。標識の有無を確認せずに「自動車専用道路=100km/h走行可能」と思い込むと、大幅な速度超過として摘発される事態を招きます。
第二の誤解は、「車両トラブルが発生した場合、本線車道の端や路肩に車を止めれば安全」という神話です。高速道路交通警察隊の事故統計によると、路肩に停車中の車両への追突事故による死亡率は極めて高い水準で推移しています。路肩も本線車道に隣接する極めて危険なグレーゾーンであり、故障等で停止せざるを得ない場合でも、乗員が車内に留まり続けることは自殺行為に等しいとされています。ハザードランプの点灯、発煙筒および停止表示器材(三角停止板)の設置を行い、全員がガードレールの外側など安全な場所へ速やかに避難することが鉄則です。
【プロの結論】走行車線を選定するドライバーの客観的判断基準
交通心理学および道路工学の観点から見ると、ドライバーの事故リスクは「自車の走行速度と周囲の交通流との速度差」に正比例して増大します。本線車道とその周辺車線を使い分けるにあたり、各ドライバーがとるべき行動基準は明確です。
【走行車線にとどまるべきドライバーの条件】
車両重量の重い貨物車やキャンピングカー、運転操作に不安の残る初心者、天候悪化時や夜間に視界不良を感じているドライバーは、迷わず中央または左側の走行車線を維持すべきです。法定速度の範囲内で前走車との車間距離を100メートル以上確保し、無理な加減速を避けることが、認知負荷を最小化し生存率を極大化させます。
【追い越し車線を活用して速やかに戻るべき条件】
走行車線の車両が法定速度を著しく下回っており、安全な車間と視界が確保されている状況においてのみ、一時的に右側の追い越し車線へ移行します。追い越し動作が完了した段階で、後続車の有無にかかわらず走行車線へと復帰する。この原則を遵守できる精神的自律性を保てないドライバーは、追い越し車線に足を踏み入れるべきではありません。