硬貨の手数料問題を打破する切り札として注目されたのが、QRコード決済や電子マネーを活用したキャッシュレス賽銭です。PayPayや交通系ICカードを賽銭箱横の端末にかざすだけで決済が完了するシステムは、一部の先進的な寺社で導入が進みました。
しかし、この取り組みに対する世論や参拝者の受け止めは二極化しています。SNSやオンライン掲示板でのリアルな声を拾うと、賛否の対立は明白です。
- 賛成派の声:「小銭を持ち歩かない時代に合っている」「手数料で神社が赤字になるくらいなら電子マネーで確実に納めたい」「ポイント還元や履歴管理ができるのは合理的」
- 反対・違和感派の声:「お賽銭をかざして『ピピッ』と鳴るのは情緒やありがたみがない」「祈りや感謝をデジタルデータで処理する感覚に抵抗がある」「決済代行会社にマージン(数%の手数料)が中抜きされるのは納得がいかない」
さらに現場を悩ませているのが宗教法人としての税制・規約上の壁です。クレジットカードやQR決済を導入する場合、加盟店規約で「寄附金・喜捨」の取り扱いが制限されるケースや、信徒の個人情報管理、端末リース費用といった運用コストが重くのしかかります。その結果、一時的に導入したものの「従来の木製賽銭箱に戻した」という寺社も少なくありません。キャッシュレス化は合理性と信仰心の狭間で、依然として過渡期の模索が続いています。