Q1:山梨県立美術館とボストン美術館の『種まく人』は、結局どちらが本物なのですか?
A1:双方がミレー本人の手によって描かれた正真正銘の「真筆」です。美術史の綿密な下絵調査により、山梨版は構図の修正跡が多く残る1850年サロン出品作のオリジナルとされ、ボストン版は構図が定まった後に高い完成度で描かれた連作と位置付けられています。優劣ではなく、画家の制作段階の違いとして国際的に認知されています。
Q2:ミレー自身は社会主義の運動家だったのでしょうか?
A2:ミレー自身は政治運動に直接関与したことは一切なく、社会主義者ではありませんでした。敬虔なカトリック信徒であり、保守的な生活信条を持つ家庭人でした。しかし、1848年革命直後の世相において、農民を堂々たる主役として巨大に描いたその革新的な表現が、結果として社会階級の矛盾を告発するプロテストのように社会に受け止められたのです。
Q3:山梨県立美術館へ行けば、いつでも『種まく人』を見ることができますか?
A3:山梨県立美術館の「ミレー館」にて常設展示されており、基本的には通年で鑑賞が可能です。ただし、国内外の美術館への企画展貸出(来日・巡回展示)や作品の定期的な保存修復作業に伴い、一時的に展示替えが行われる場合があります。遠方から訪問される際は、事前に美術館公式サイトの展示スケジュールを確認することをおすすめします。