医療・介護分野でADLを評価する際、バーセルインデックスと双璧をなすのがFIM(Functional Independence Measure:機能的自立度評価法)です。多くの医療関係者や初学者が「なぜ2つの評価法が存在し、どのように使い分けられているのか?」という疑問を抱きます。その答えは、両者が測定しようとしている「対象範囲」と「目的」の明確な違いにあります。
最大の違いは、バーセルインデックスが「できるADL(身体的能力)」を評価しやすいのに対し、FIMは病棟や生活の場で「現実にしているADL(実行状況)」を厳密に評価する点です。さらに、BIが運動項目のみの10項目(100点満点)であるのに対し、FIMは運動項目13項目に「社会的交流」「問題解決」「記憶」といった認知項目5項目を加えた全18項目(126点満点)で構成され、各項目を1〜7点の7段階で採点します。
回復期リハビリ病棟のように、日々のリハビリによる細かな介助量の変化(75%介助から50%介助への改善など)を追跡し、入院料の施設基準を満たすためにはFIMが欠かせません。一方で、外来、急性期病棟、在宅医療、介護保険施設など、多様な職種が素早く生活レベルを把握し共有するプラットフォームとしては、バーセルインデックスの手軽さが今なお大きなアドバンテージを誇っています。