Q1:脱分極が起きないと人間はどうなりますか?
A1:細胞が脱分極を起こせなくなると、一切の神経伝達と筋肉の収縮が停止します。例えば、フグ毒のテトロドトキシンは電位依存性ナトリウムチャネルを強力にブロックして脱分極を阻害します。その結果、呼吸筋が麻痺して自発呼吸ができなくなり、最悪の場合は死に至ります。局所麻酔薬(リドカインなど)も同様にナトリウムチャネルを一時的に塞ぎ、脱分極を止めることで痛みの信号を遮断しています。
Q2:ナトリウムチャネルではなくカリウムチャネルが先に開くことはないのですか?
A2:通常の活動電位発生プロセスでは起こり得ません。電位依存性ナトリウムチャネルは、閾値に達した瞬間に極めて高速で開口する構造(活性化ゲート)を持っています。一方、電位依存性カリウムチャネルは刺激を受けてから実際に開口するまでにタイムラグがあるため「遅延整流性チャネル」と呼ばれます。このチャネルごとの「開く速度の差」が、脱分極から再分極への美しい時間差を生み出しています。
Q3:看護師国家試験で脱分極に関して最も頻出の出題パターンは何ですか?
A3:主に2パターンに集約されます。1つ目は「活動電位発生時の各イオンの挙動」で、脱分極時にNa⁺が細胞内へ流入し、再分極時にK⁺が細胞外へ流出するという基本の正誤問題です。2つ目は「心電図波形との対応関係」で、P波が心房脱分極、QRS波が心室脱分極、T波が心室再分極を示すという臨床応用問題です。どちらもイオンの移動方向と波形の意味をセットで整理しておくことが鉄則です。