入試記述問題の採点官が目を光らせているのが、「中点連結定理の逆」を正しく運用できているかどうかです。「逆」の主張は以下の通りです。
【中点連結定理の逆】:
三角形ABCの辺ABの中点Mを通り、底辺BCに平行な直線を引いたとき、その直線と辺ACとの交点Nは、必ず辺ACの中点になる(さらに MN = 1/2 BC も成立する)。
定理そのものは「2つの中点を結ぶと平行&半分になる」という前提から結果への流れですが、逆は「1つの中点を通り平行線を引くと、もう片方も中点になる」という因果関係になります。
受験生が陥りがちな重大な誤謬は、証明問題の論述において「まだ点Nが中点であると確定していない段階で、中点連結定理より……と書き進めてしまう」ケースです。仮定と結論が逆転しており、採点基準では致命的な減点対象となります。片側しか中点が判明していない状況では、「平行線と線分の比の性質より AM : MB = AN : NC であり、AM = MB だから AN = NC。よって点Nは中点である」という論述ステップを踏むか、厳密に「定理の逆より」と明記しなければなりません。