ノンホモ牛乳を購入して開封した際、注ぎ口の内側や表面にトロリとした白い塊が付着しているのを見て、「傷んでいるのでは?」と驚く購入者が後を絶ちません。しかし、これこそが本物の証である「クリームライン(クリーム層)」です。
ノンホモ牛乳クリーム層ができる理由は、物理学におけるストークスの法則(液中を浮上する粒子の速度に関する原理)によって論理的に説明できます。脂肪球が砕かれておらず大きな粒のままであるため浮力が強く働き、製造から数日かけて容器の上部へと自重で浮上していくのです。これは工業製品として均一化される以前、牧場で飲まれていた牛乳では当たり前に起きていた自然現象にほかなりません。
この浮き上がった上澄み部分は、純度100%のフレッシュな天然生クリームそのものです。一般的な市販牛乳は脂肪球が均一に分散しているため、どこを飲んでも同じ乳脂肪濃度になりますが、ノンホモ牛乳は上層部が濃厚で、下層部はすっきりとしたスキムミルクに近い味わいというグラデーションを持ちます。この「一杯の中で変化するテクスチャー」こそが、愛好家を虜にする最大の醍醐味となっています。