施設の中核をなす「朝採り館」へ一歩足を踏み入れれば、そこは採れたての生命力に満ちた農産物の宝庫だ。佐野名物の「とちあいか」や「スカイベリー」といったブランド苺が並ぶコーナーには、甘く濃密な香りが充満している。地元農家が朝早くに泥を落として持ち込んだばかりの瑞々しい朝採れ野菜は、スーパーマーケットの棚に並ぶそれとは明らかに艶が違う。
カゴいっぱいにトマトやネギ、佐野特産の伝統野菜を詰め込む客たちの目は真剣そのものだ。生産者の顔写真と名前が添えられたPOPを見つめながら、「今日は〇〇さんの大根が出ている」と呟く常連客の姿も珍しくない。農家と消費者が目に見えない信頼で結ばれている現場が、ここには確かにある。