都市の中心に6つの館が立ち並ぶ光景は、もはやホテルというより「街」そのものだ。アパグループが仕掛けたこのアパホテル六本木SIX構想は、限られた都市空間で最大の客室供給を実現する画期的なモデルとして業界に衝撃を与えた。
かつてないスピードで開発が進められた背景には、東京都港区における深刻な客室不足がある。六本木は夜の街という従来のイメージを脱却し、外資系企業の拠点や国際会議、そしてインバウンド観光の拠点へと急速にシフトした。この旺盛な需要を逃さず取り込むため、複数の棟をドミナント(集中)展開する手法が採られたのだ。
単一の大型タワーを一から建てるのではなく、機動的に棟を組み合わせることで、開発リスクを分散しながら迅速な客室提供を可能にした。これぞまさに、元谷芙美子社長とグループが長年磨き上げた都市型ビジネスホテルの合理的な勝ちパターンと言えるだろう。