2001年に出版された著書『生き方上手』(シニアスタイル研究所)は、120万部を超える大ベストセラーとなり、日本のシニアライフに対する社会通念を根底から覆しました。それまで「老後=余生・隠居」と捉えられがちだった時代に、日野原氏は「老いることは創まり(はじまり)である」と説き、年齢を重ねるごとに人間性は深まり、新しい挑戦が可能になると訴えかけました。
日野原氏が遺した数々の名言は、今なお多くの人々の指針となっています。
「命とは、あなたが使える時間のことである。」
「鳥は飛び方を変えられないが、人間は生き方を変えられる。」
「感謝の気持ちを持つ人は、決して老いることがない。」
2017年7月18日、日野原重明氏は105歳でその生涯を閉じました。死因は呼吸不全でした。最期は自宅で延命治療を望まず、家族や聖路加国際病院の医療スタッフに見守られながら、穏やかに息を引き取りました。最愛の妻・静子さん(2013年に逝去)との深い絆を大切にし、遺言として語られた「死ぬ時に感謝の言葉を捧げられるように」という祈り通りの旅立ちでした。