同校のアイデンティティを語る上で欠かせないのが、母体である学校法人市邨学園の歩みだ。創問者・市邨芳樹が明治期に掲げた「一に人物、二に学問」という教育理念は、一世紀以上の歳月を経た現代においても色褪せることなく息づいている。
市邨芳樹は単なる知識の詰め込みを排し、社会の荒波に耐えうる自律した人格の育成を最優先に据えた。この思想は、建学以来のDNAとして現代のカリキュラムにも色濃く反映されている。少人数制ゼミナールにおける徹底した対話型指導や、教員と学生が距離の近い環境で人間力を磨き上げる伝統は、まさにこの百年超の哲学の結実といえる。
現代の高等教育機関が効率化や大規模化に傾倒しがちな中、学生一人ひとりの個性と向き合い、自立した市民を育てるという市邨学園の揺るぎない矜持が、激変する時代において再評価されている。