指の動かしにくさの中には、生命やその後の生活の質に直結する中枢神経系の重大な疾患が潜んでいることがあります。
最も警戒すべきは、脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)の前兆として生じる片手の脱力です。昨日まで普通に動いていた片手の指が突然動かなくなったり、持っている食器を落としてしまったりする場合は緊急事態です。以下の「FASTチェック」に該当する項目がないか直ちに確認してください。
- F(Face:顔の麻痺):笑顔を作ったときに口角の片側が下がる。
- A(Arm:腕・手の麻痺):両腕を前方に水平に上げたとき、片腕が重力に負けて下がってしまう。
- S(Speech:言葉の異常):ろれつが回らない、言葉が出てこない、相手の言うことが理解できない。
- T(Time:発症時刻):症状が一つでもあれば、ためらわずに119番通報で救急要請を行う。
また、徐々に手指の動作がぎこちなくなり、動作緩慢が目立つようになる疾患として「パーキンソン病」があります。初期には「片側の指先が何となく震える(特にリラックスしている安静時の震え)」「歩くときに片腕の振りが小さい」「字がだんだん小さくなる」といった症状から始まります。脳内のドパミン不足が原因であり、早期に適切な内服治療を開始することで運動機能を長期間維持できます。