視覚的なインパクトだけを狙ったSNS向けのスイーツは世に溢れている。しかし、ここに鎮座する品々は次元が違う。口に含んだ瞬間に理解できるのは、香りの設計に関する深遠なこだわりだ。
例えば、完熟したイチゴに合わされるのは、時に爽快なローズマリーであり、時にはピリッとしたブラックペッパーやエルダーフラワーの芳香だ。温度差の演出も抜かりない。冷たいソルベと、温かいソースの対比。口内温度でゆっくりと溶け出すカカオの油分。複雑に絡み合う要素が、最後の一口まで食べ手を飽きさせない。甘さの先にある「風味の余韻」を愉しむ大人のための嗜好品である。