作者である尾田栄一郎が描き出す緻密な世界観において、ローグタウンでのエピソードは物語の大きな転換点だった。集英社が誇るフラッグシップ誌『週刊少年ジャンプ』で連載が始まった初期から、単なる爽快な冒険活劇にとどまらない人間ドラマの深みが読者を熱狂させてきた。
王道の少年漫画でありながら、敵味方の概念を固定化せず、海軍内部の矛盾や個々の正義感を精緻に描き分ける手腕。スモーカーの初登場シーンは、ルフィたち海賊側の視点だけでなく、世界を統治する海軍側にも魅力的な信念を持つキャラクターが存在することを鮮烈に印象づけた。この巧みなキャラ造形こそが、四半世紀を超えて愛される作品の底力と言える。