学校法人武蔵野美術大学の根幹を成す造形学部には、絵画、彫刻、工芸、建築、映像、デザインといった多岐にわたる専門領域が揃う。中でも空間演出デザイン学科に見られるような、舞台、インテリア、ファッションを横断する実験的なアプローチは、武蔵美の自由闊達な気風を如実に物語っている。
ここではジャンルの境界線など容易に飛び越えられる。油彩画専攻の学生が立体構造物とデジタル音響を組み合わせ、デザイン専攻の学生が伝統的な染色技法に没頭する。徹底した基礎教育と、それを軽やかに破壊していく前衛性。この往復運動こそが、既存の枠組みに囚われない本物の芸術教育の真髄だろう。