映画館という空間の価値を根底から塗り替えたのが、韓国のCJ 4DPLEX社が開発した体感型シアター(4DX)の導入だ。前後左右への激しいシートモーション、顔をかすめる風、閃光、漂う香り。これらは単なる演出の枠を超え、観客を物語の当事者へと引きずり込む。
世界的な大反響を巻き起こした山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』では、荒れ狂う海面や巨大怪獣の足音が劇場全体を揺らし、観客に本能的な震撼を与えた。さらに熱望される『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』のような超大作アニメーションにおいても、4DXならではの縦横無尽な空間演出が映像美を極限まで増幅させる。映画を「視る」時代から「全身で受肉する」時代への転換点がここにある。