かつてビル・ゲイツが世界に見せつけたプレゼンは、圧倒的な機能性と合理的な論理展開で市場をねじ伏せるスタイルだった。ビジネスプレゼンテーションの標準規格となったスライド文化の原点はそこにある。
対照的に、現在のマイクロソフトを率いるサティア・ナデラが体現しているのは、徹底した「共感とストーリーテリング」だ。スペックや自慢話を排し、自らのバックグラウンドや挫折、テクノロジーが人々の生活をどう豊かにするかというナラティブで世界を動かしている。
この思想の転換は、個人の自己紹介にも完全に当てはまる。自慢のポートフォリオを誇示するスライドは敬遠され、「どのような哲学を持って仕事に向き合っているか」を語るスライドが人を惹きつける。機能性から人間性へのシフト。これこそが現代のプレゼンテーションにおける最大の潮流である。