山林や公園に生い茂る木々を目にした際、双方はどのように見分ければよいのでしょうか。遠目にはどちらもまっすぐに伸びる常緑針葉樹ですが、間近でパーツを観察するとスギとヒノキの見分け方は驚くほど明瞭です。
最もわかりやすい識別基準はスギとヒノキの葉の形の違いにあります。
・スギの葉:先端が鋭利に尖った細長い針状。触るとチクチクとした強い痛みを感じ、枝の周囲にらせん状に生える。
・ヒノキの葉:先端が丸みを帯びた鱗片状(ウロコ状)で平ら。手で触れても痛みがなく、裏面を見ると気孔帯と呼ばれる白い「Y字模様」が浮かび上がる(サワラは「X字」)。
また、秋から春先にかけて枝先に実るスギとヒノキの実(球果)の見分け方も鑑別の決め手となります。スギの実は直径2cm前後の楕円形でトゲトゲとした松ぼっくり状ですが、ヒノキの実は直径1〜1.5cmほどの正球形に近く、サッカーボールの革をつなぎ合わせたような幾何学的模様を描きます。
樹木全体の風貌を決定づけるスギとヒノキの樹皮と幹の違いも見逃せません。スギの樹皮は赤褐色で縦に細長く裂け、帯状にベリベリと剥がれる質感を持っています。一方、ヒノキの樹皮はやや暗い灰褐色から赤褐色で、薄いリボン状に細かく裂け、全体として滑らかで整然とした品格を漂わせます。