大晦日の夜といえば、自宅でテレビを囲む層と、屋外イベントや初詣に繰り出す層で二極化します。近年の大晦日カルチャーはどのように変化しているのでしょうか。
除夜の鐘の歴史的意味と鳴らす時間帯
除夜の鐘は、仏教において人間が抱える「108の煩悩」を消し去るために打ち鳴らされます。眼・耳・鼻・舌・身・意の六根(ろっこん)に端を発する苦悩を、鐘の響きによって清浄な状態へと戻す儀式です。
鳴らす手順にも厳格な伝統があります。「107回を年内(大晦日中)に撞き、最後の1回を年が明けた瞬間(元日)に撞く」のが正式な作法です。これには「旧年のうちに107の煩悩を払い落とし、清らかな心で迎えた新年に最後の1つを払って幸先良いスタートを切る」という意味が込められています。一般の参拝客が撞くことができる寺院では、22時半〜23時頃から整理券配布や点呼が始まるケースが一般的です。
テレビ特番編成と多様化するカウントダウン
大晦日のメディア空間では、依然として『NHK紅白歌合戦』が世帯視聴率の中心的支柱を担いつつも、民放各局は大規模スポーツ中継(格闘技・ボクシング)、大型お笑い特番、音楽ライブ生中継など、多角的な編成を敷いています。ネット配信プラットフォーム(TVer、ABEMA、YouTube)での独占カウントダウン番組をスマートフォンで同時視聴する「マルチスクリーン視聴」が定着しています。
一方、街頭でのカウントダウンイベントは安全管理の観点から大きな転換期を迎えています。かつて密集が生じていた主要駅周辺では警察による厳重な雑踏警備が敷かれ、公共スペースでの過度な騒乱は厳重に取り締まれる体制が敷かれています。その反面、大型テーマパーク(東京ディズニーリゾート、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン等)や屋内ライブ会場での事前チケット制カウントダウンはプラチナチケット化しており、秩序ある有料イベントへの集中が進んでいます。