ネット上では「メルヘンとグレーテル誰が歌ってるのか」「メルヘンとグレーテル作曲者は誰なのか」というクレジットの特定を巡る検索が後を絶ちません。本作のバックボーンを紐解くと、先鋭的なボカロPおよびネット発の実力派クリエイターによる綿密なコラボレーション体制が浮かび上がってきます。
サウンドプロデュースを手掛けた作曲者は、変拍子を多用したプログレッシブな展開と、ゴシック調のオーケストレーションに定評がある気鋭のコンポーザーです。BPMの急激な加減速や、短調と長調が目まぐるしく交錯する転調の妙は、聴く者に「正常と狂気の境界が曖昧になる感覚」を植え付けます。また、ボーカルには繊細なウィスパーボイスと狂気を孕んだスクリームを自在に操るシンガー(またはVOCALOID/合成音声ライブラリの極限調声)が起用され、無垢な少女が精神の深淵へと堕ちていく過程を生々しく表現しています。
映像面においても、メルヘンとグレーテルMV解説において見逃せない伏線が多数仕掛けられています。画面のアスペクト比が物語の進行とともに徐々に狭まり、少女の視野狭窄を表現する演出や、一瞬だけフレームインするノイズ交じりの文字コードなど、幾重にも張り巡らされたギミックが楽曲の耽美な世界観を補強しています。