長年地域に愛されてきた店舗でありながら、なぜ抜本的な見直しや閉店・縮小論議が浮上したのか。その背景には、堺エリア特有の商業環境の激変と消費者行動の変化という、複数の明確な要因が存在します。
第一の要因は、周辺エリアにおける大型商業施設の急増です。「イオンモール堺北花田」「イオンモール堺鉄砲町」、さらに「ららぽーと堺」など、広大な駐車場を備えた郊外型ショッピングモールが次々と開業しました。これにより、かつて堺東に集中していたファミリー層や日常の買い物需要が大きく分散することになりました。
第二に、なんば(ミナミ)へのアクセスの良さによる購買流出が挙げられます。堺東駅から急行で約12分という近さゆえに、高級ブランド品や高額贈答品を求める顧客は、西日本屈指の売上と品揃えを誇る髙島屋大阪店(本店)へ直接足を運ぶライフスタイルが定着しました。
さらに、開店から60年を超えるビル自体の老朽化と維持コストの増大、ならびにネット通販の浸透によるアパレル・雑貨部門の採算悪化が重なり、従来のフルライン型百貨店としてのビジネスモデルが限界に達していたという実情があります。