ジャッキー佐藤の原点を語る上で、マキ上田とのタッグチーム「ビューティ・ペア」の存在を避けて通ることはできない。レコードデビュー曲『かけめぐる青春』は80万枚を超える大ヒットを記録し、彼女たちは社会現象となった。試合前のリング上で歌を披露し、リングアナウンサーの合図とともに戦闘モードへと切り替わる姿は、まさに唯一無二のエンターテインメントだった。
だが、その頂点は残酷な結末を迎える。1979年、日本武道館で行われた「敗者引退マッチ」。WWWA世界シングル王座を賭けた盟友・マキ上田との死闘の末、ジャッキーは勝利を収めた。しかし、それは同時に自らの半身を失うことでもあった。パートナーを引退へ追い込み、一人リングに残された彼女の背中には、誰も触れることのできない深い影が宿り始めていた。