伝統芸能界が共通して抱える最大の課題が、後継者不足だ。文楽も例外ではなく、厳しい修行の道を志す若者の減少が長年危惧されてきた。しかし、独立行政法人日本芸術文化振興会が推し進めてきた研修制度が、ここにきて大きな成果を結び始めている。
現在、劇場で異彩を放つのは20代から30代の若手技芸員たちだ。彼らは幼少期からの家柄出身者ばかりではない。公募の研修生として門を叩き、数年間の過酷な訓練を耐え抜いた叩き上げの若者たちが、主要な役どころを次々と射止めている。
ベテラン人間国宝らの厳しい眼差しのもとで揉まれながらも、彼らはSNSやデジタルメディアを通じた発信にも積極的だ。楽屋裏の様子や道具のメンテナンス風景など、これまで非公開だった舞台の裏側を覗かせることで、同世代のファンとの間に新しい絆を築いている。