近年、賃貸住宅の原状回復に対応したシールタイプや剥がせる糊を使った「DIY用グレー壁紙」がネット通販で爆発的な売れ行きを見せています。しかし、施工現場やSNSのリアルな口コミを精査すると、DIY特有のトラブルと限界も見えてきます。
ネット上のコミュニティ(知恵袋やインテリアコミュニティ)に寄せられた数百件の施工レビューを分析すると、以下の3点が主なトラブル要因として挙げられています。
- 下地クロスの破損リスク:「糊残りなし」を謳う粘着シールタイプであっても、既存の賃貸ビニールクロスの表面加工(撥水・防汚加工)との相性により、剥がす際に下地クロスごと破れてしまい、退去時に高額な原状回復費用を請求された事例が散見されます。
- 継ぎ目の収縮・めくれ:安価なPVC(塩化ビニル)素材のシール壁紙は、温度・湿度の変化によって経年で収縮します。施工直後は綺麗に揃っていた継ぎ目が、暖房を使用する冬場に2〜3mm開き、下地の白が見えてしまう現象が多発しています。
- 空気混入とシワ:グレーのような単色無地(ソリッド)の壁紙は、柄物(レンガ調やボタニカル柄)に比べてわずかな気泡やシワが極めて目立ちます。特に巾広(90cm以上)のロールを素人が1人で貼る難易度は極めて高く、複数人での作業と専用スキージーによる圧着が必須です。
賃貸で施工する場合は、壁全体に直接貼るのではなく、マスキングテープ+両面テープ工法を用いるか、下地への影響が極めて少ないフリース(不織布)素材の剥がせる壁紙を選択するのが最も安全な防衛策です。